Global-PPSについて

「抗菌薬の使用状況と耐性に関する国際調査」(Global-PPS)は、世界各国の医療施設における抗菌薬処方と薬剤耐性を測定し、モニタリングを行なうことを目的とした、簡易なウェブベースのツールを無償で提供します。Global-PPSは調査を実施する医療施設の世界的なネットワークを確立しており、世界中の成人、小児、新生児の入院患者における抗菌薬処方の量と質、さらに薬剤耐性の程度を評価し、比較することのできる定量的な手段を提供しています。Global-PPSは抗菌薬使用と薬剤耐性への世界的な認知度向上を図り、医療資源や地理的環境が異なる国や地域での抗菌薬適正使用をめざす計画と支援に貢献しています。

データ

データ収集は、入院患者を対象に行なう「1日調査」の実施を示します。この調査では、PPS実施当日の8時に、抗菌薬による治療を受けている患者さんに関する詳しいデータを収集します。

2019年9月以降の実施計画書ではHAIをさらに詳しくモニタリングできるようになりました。これにより、病院は、基本のGlobal-PPSか、追加のHAIモジュール(抗菌薬の投与を受けている患者ごとに書式を1つ追加)を含む詳細なGlobal-PPSのいずれかを選択する必要があります。

データは紙ベースで収集し、その後、ウェブベースのGlobal-PPSアプリケーションを用いてデータ入力・検証・報告を行います。

必須の項目は、患者さんの年齢と性別、抗菌薬、1回当たりの投与量、1日当たりの投与回数、投与経路です。抗菌薬以外にも、抗真菌剤、抗ウイルス剤、結核治療用抗生物質、抗マラリア薬も調査対象になります。その他の必須項目として、用意されたリストに基づいた感染症または予防の部位、治療の適応症(市中と院内どちらの感染症または予防か)、治療は検出された微生物や生物学的データまたはバイオマーカーのデータによって決定したか、などの項目が組み入れられています。オプションのHAIモジュールでは、侵襲的デバイスに関する詳細情報も収集の対象です(例えば末梢血管カテーテルや尿路留置カテーテルなど)。
分母となるデータは、各診療科における入院患者数と病床数です。

目的-病院への貢献

GLOBAL-PPSは次の目的を実行するためのツールを提供します。

  • 病院における抗菌薬処方の実際を 評価し、パフォーマンス指標を調査する(負担の特定)。

  • 抗菌薬処方の質の向上と医療関連感染症(HAI)の予防を目的とする病院の介入計画立案と目標の特定を補助する(変更の実践)。

  • PPSを繰り返し行って介入の有効性を評価する(影響の測定評価)。

提供されるフィードバック

データの入力と検証が完了すると、病院はフィードバック報告書のダウンロードが可能となります。これらの報告書は地域とのコミュニケーションや発表に活用いただけます。その医療施設の抗菌薬使用率が全国平均あるいは大陸平均の全体的な結果と比較して作図されます。フィードバックには、抗生物質に関するいくつかの質の指標に関する報告も記載されています。
さらに、病院は随時、それぞれのオリジナルデータをExcelファイルで抽出し、これらの独自の目的で分析することができます。

重要な点

データは完全に匿名でGlobal-PPSツールにオンライン入力され、アントワープ大学のESACサーバで保護されます。その後のデータの所有権は病院が保持したままとなります。ビオメリューがこれらのデータにアクセスすることはなく、アントワープ大学がビオメリューを含む第三者に病院名を開示することもありません。病院の参加や実地調査はいずれも任意で行われるものです。Global-PPSチームは、「地域の共同参加施設」や「国または地方のPPS参加施設」を主導し、地方または国に固有の分析を行うよう推奨しています。論文発表に関するポリシーが作成されています(文書をご覧ください)。

予想されるスケジュール

2020年は3回の調査(2020年1月~4月、5月~8月、9月~12月)を予定しています。病院は2020年に最大3回までの間で参加回数を選択することができます。このため、介入に伴う変化を追跡したり、例えば季節変動などを調査することが可能です。
参加資格は設けていません。世界中のあらゆる医療施設の参加をお待ちしています。過去に、Global-PPSに参加したことのある病床数の多い医療施設に関しては、特定のタイプの病棟集合(例えばすべてのICU、すべての外科病棟またはすべての小児病棟など)を組み入れた施設の部分標本を対象として参加できます。実施したすべての調査結果を示す長期的なフィードバックレポートをダウンロードすることも可能です。

重要

  • 旧版の実施計画書の有効期限は2019年12月末までです。一方、オプションのHAIモジュールを組み入れた新しい実施計画書は2019年9月から有効になります。すなわち、この移行期間(2019年9月から12月)中は、Global-PPSツールにおいて、旧版と新版の両方の実施計画書に対するオンライン入力が可能です。
  • 2020年1月以降は、新版の実施計画書に準拠したデータ入力以外はご使用になれません。

皆さんの本プロジェクトへの参加を心待ちにしています。

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